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本草綱目北京語の古文体の翻訳本を出版します。

韓国の(韓)建國大學校の全 炳台 教授と木室ミヱ子は

共同で漢方の本を出版致します

本草綱目の北京語の古文体を翻訳しました。

(韓)建國大學校 食品生命科學부 敎授

(日)東北大學大學院 博士取得

 

Mieko Kimuro

 

Kimuro漢方藥局

 

 

下記は 117品目の中の一つです。

21.補血薬

  1. 夜中の女人の泣き聲(白芍藥)

      白芍薬

      Paeonia japonica (Makino) Miyabe & Takeda

 中国の三国時代の話だ。

医聖(いせい 大変優れた医者)、

華佗(かだ)の家の辺りは、あらゆる薬草で取り囲まれていた。

彼は全ての薬草を味わって薬の成分を確かめた後に病人に投与していた為、

決して薬を使い間違う事は無かった。

ある日、ある人が白芍を一本送ってきた。

華佗は それを窓際の庭に植えた。

彼は白芍の葉を一枚摘んで味わい、それから枝と花も味わってみた。

けれども、その味が平凡で薬としての値打ちはないと思われたので、

その以後、白芍は別段の管理をせず、

また関心も持たなかった。

ある日、

夜更け迄 華佗は灯火(ともしび)の下で本を読んでいた。 

その時 突然、人の泣き声が聞こえて来た。彼が窓を開けて外を眺めると、

皎々(こうこう)たる月光をあびて

美しい女人が立っていた。

しかし、

良く見ると、何か切ない、訳のありそうな表情をしていた。

“何かもどかしい事情があるなら、泣かないで話してみなさい。”

華佗は戸を開けて女人の立っている所に近寄ったが、

人の姿は無かった。

窓から見た時に女人の立っていた場所には、

人の代わりに前と同じく白芍があるだけであった。

華佗は心が乱れた。

“さて!白芍の木がその女人と言う訳か?”

頭を振り、笑いながら白芍に向かって話した。

“お前が本当に霊験のある木であるのなら、泣かなくてもいいのに・・・。

お前は薬効が無いと言うのにどうして有効に使えようか?”

彼は部屋に入って読書を続けたところ、

また女人の泣き声が聞こえてきたので 

また外に出てみると、前と同じように白芍が有るだけだった。

同じ事を 数回繰り返すうちに、華佗は深く考えた。

“何か訳がありそうだ!!”

彼は側で寝ている婦人を起こして一部始終を話した。

婦人は窓際の白芍を見つめながら語った。

“この庭園にある一株の木や草も、手を入れれば

良い薬になるのでしょう。

良く調べ、

どんな端ない草でもその効験を探し出せば、

多くの患者の命を救う事ができると思います。

あなたは一株の白芍を

冷ややかな目で見ないで、よく考えて用途を探してみなさい。

”白芍がいかばかり切ない思いで・・・。

華佗は婦人の勧めを聞いて、笑いながら答えた。

“私は多くの薬草を味わってその性質を把握し、

その用途と効験を確実に確かめ、少しの錯誤(さくご)も無い様にしています。

しかし、白芍の葉、幹、花を全て味わい、

到底薬に使う事が出来ないと思われますが、

貴方はどうして切ない事だと言うのですか?”

“ねえ、貴方。葉、幹、花は外で育つものですが、地下で育つ根あるでしょう。

もう一度 調べましょうよ。”

華佗は面倒くさいという顔付きで何とも答えずそのまま寝込んでしまった。

婦人は夫が医術に勝ってはいるが、些細な事に耳を貸さない、

どうしたら注意深く調査する事ができるかと思い悩んで眠れず、

夜通し何とか方法は無いだろうかと思案した。

翌朝、

彼女は一大決心をして、台所から刀を持ち出し、自分の太腿の肉を抉(えぐ)り取った。

すると鮮紅色の地が床の上に狼藉(ろうぜき)に流れた。

華佗はそれを見て、色々な薬草を持って来て血を止めようとしたが、

血は流れ続けて止まらなかった。

彼は掌(てのひら)を額に当てて思案したが、何とも方法が頭に浮かばない。

その時、夫人が言った。

“白芍の根を掘って試してみましょう。”

病気が危急な場合は医者も混乱を起こすと言う言葉通り、

華佗も事が此処に至っては仕方なく、婦人の言う通り白芍の根を患部に当ててみた。

すると血は直ぐ止まり、痛みも止まったのである。

幾日も経たないうちに傷口は癒えた。

華佗は

是まで、こんな効力のある薬草は見たことがなかった。

こうして華佗は白芍の効能を切実に体験したのである。

この薬草は貴重な薬材として、今日まで 漢方で多く使用している。

白芍は抗菌作用があり、

痛症を止め、多汗を防ぎ、腹下し(泄瀉)による腹痛と月経不順、子宮出血、帯下にも効力があり、

肝臓を丈夫にし、脇腹の痛み、月経痛にも使用する。

また、中枢神経を抑制して鎮痛作用がある。

 

 

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