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本草綱目 北京語の古文体翻訳しました 知母

淸熱瀉下藥

9.藥草を採集する老婆(知母)ちぼ

 

 

 

漢方薬を勉強される方の為に翻訳しました。

漢方薬は一つ一つの

単味の生薬の効能効果を掴む事で

処方を正しく使いこなす事が出来ます

症状だけで漢方薬を選び患者さんに

処方すると言う事は

副作用を起こす事になります。

その漢方薬が

冷やす性格? 温める性格? 乾燥させる性格? 

潤わせる性格? 風を除く性格? 暑を除く性格 ?

風 寒 暑 湿 燥 火の邪

 が病気の由来による場合

薬の性格を掴んで処方する事が大事です。

 どのような性格の処方なのか掴む事で 

正しく重病人の方が生きがえる程の

効能効果を発揮します。

それができなければ 

重病人に処方した場合

死に至らしめてしまいます。

将来は 本として出版するつもりです

今は 

漢方薬を学んでいる方々の爲に

お役に立てる事を願って本文を記載致します。

著者

韓醫學博士 李豊遠

Donggukk-Royal University of America, LA

(米)Uuin University, Compton 博士取得

 

農學博士 全炳台

(韓)建國大學校 食品生命科學부 敎授

(日)東北大學大學院 博士取得

 

Mieko Kimuro

株)オータニ 漢方藥局

 

知母(AnemarrhenaasphodeloidesBUNGE)

昔、ある村に、

薬草を採り集める一人の老婆が住んでいた。

彼女には息子が無く、

一人ぼっちで孤独に暮らしていた。

老婆は取って来た薬草を売って暮らしを

立てていたにも関わらず、

それを売る前に、

隣近所の病気に罹(かか)った

貧しい人達にお金を取らずそのまま分けて居た為に、

蓄えが出来なかった。

そういう暮らしをしているうちに、

彼女は段々年を取り、

気力が衰えて山登りが出来なくなった。

ついに食料も買えず物乞(ものご)い

をして暮らす事になった。

しかし、

老婆は哀れな自分の立場は別に気にも留めず、

ひたすら薬草の採集を誰かに

伝授しなければならないと思っていた。

 

それから数年の間、適当な相手を探したが、

無駄に終わった。

「もしもこのまま私が死んでしまえば、

今迄私が助けてあげたあの貧しい人達の

病気を誰が治療してくれるだろうか?」

老婆は信頼できる人が見当たれば、

その人に薬草の採集法や使い方を教えてあげようとした。

そこで老婆は人に会う度毎に、この様に話した。

「誰か私の息子になってくれまいか?

私はその人に薬草の判別法を教えてやるつもりだ。」

 

数日後、

この話があるお金持ちの息子の貴公子の耳に入った。

「もし、私が病気を治療する方法を学んで置けば、

私は官に登用される機会が多くなるだろう。」

その貴公子は、早速老婆を自分の家に招いた。

「お婆さん、

私がこれから貴方の息子になりますから、

一日も早く薬草に対する知識を教えて下さい」

老婆は貴公子を見て話した。

「余り焦らないで下さい。貴方は薬草の知識を

習う前に、息子としての母親に対する孝行を学ぶべきです。」

貴公子は、すぐに召使いに命じて、

立派な部屋を用意し、

老婆をそこに住ませる様にした。

また、

綺麗な着物を着させ、

毎日、良い食べ物をあげる様にした。

かくして十数日が過ぎた。

しかし、

年取った老婆は、

薬草に関してはそれまで一言も口にしなかった。

貴公子は焦りだした。

「お母さま!」

貴公子は優しく呼びかけて、

「もはや、半月が経ちました。

今から薬草の事を教えて下さい。」

「余り急がないで。」

「一体、いつまで待てと言うのですか?」

「少なくとも8年か10年位は待ってくれ。」

貴公子は髪の毛が逆立つ程怒った。

「何だと!!

私に貴方を10年もお世話をしろと?

今すぐ出て行ってくれ、

貴方は初めからこの家に住み留まる積りだったな!」

老婆は顔に冷笑を浮かべながら、

初めこの家に来る時に着ていた

つぎはぎの古着に着替え、

黙って貴公子の家を出て行った。

それから老婆は以前通りに乞食をしながら、

ひたすら自分の薬草採集や

使用法を授けるに相応しい人を探し歩いた。

「誰が私の息子になってくれるかな。

私はその人に薬草で病気を治す

方法を教えてやるつもりです。」

丁度、その時、通りすがりの一人の商人が老婆の

言葉を耳にした。

「これはうまい話しだ。

私がこれを習って薬材商をすれば、

沢山のお金を儲けられるだろう。」

商人はいち早く、老婆の前に迫り寄り、

「が貴方の息子になります。」

老婆は彼に連れられて彼の家に着き、

一か月程

何もしないで泊まり続けた。

とうとう待ち切れなくなった商人が口を開いた。

「貴方は本当に薬草の事をご存知ですか?

私は既に長い間待ったのです。

今こそ教えて下さい。」

「まだ早い。私の体が動けなくなる迄お待ち。

その時教えてやる」

商人は腹立ちの余り、

身をワナワナと震わせながら、

「この老いぼれが!人を騙そうとしたな。

今すぐ出て行け、貴方には何も習う事は無い!」

商人は老婆を追い出した。

老婆は再び前と同じ様に、

「誰が私の息子になりたいですか?

私が薬草の判別法を教えてあげる。」

しかし、

誰も老婆の言葉を信じようとしなかった。

ある寒い冬の日、

冷たい風が吹きまくる中を、

ろくに歩く事もできない年老いたこの老婆は、

ある家の前を通り過ぎた途端、

石ころに足を取られて倒れてしまった。

そのまま立ち上がる事も出来ない老婆を

見つけたその家の人が急いで抱き起し、

自分の家に導き入れた。

「大変でしたね。

どこか具合が悪いのでは有りませんか?」

「いいえ、私は大丈夫ですが、

余りに腹が空いて元気が有りません。」

この家の主人は木こりだった。

彼は急いで粥を煮て老婆に食べさせた。

「私の家には他に食べ物が無いのですが、

このお粥でも召し上がって下さい。」

気立ての良い木こり夫婦は

色々と老婆の面倒を見てくれた。

老婆は暖かいお粥で元気を取り戻しては、

有難うとの挨拶を重ねて告げ、

身を起こし立ち去ろうとした。

「今外はとても寒いですよ。

どこまで行かれるのですか?

行く先は決まっているのですか?」

木こり夫婦の話を聞いて、

老婆は大きく溜息をつきながら

「私には家族が無く、

道端で物乞いをしながら暮らしています。」

「年取った方が、この寒い冬に道端で

物乞いをしながら暮らすとは、

何とも無理な事です。

私共は貧乏ではありますが、

いっその事私達と一緒に住んでは

いかがでしょうか?」木こり夫婦は口を揃えて話した。

老婆は彼らの真心を受け入れて、

その家で一緒に住む事にした。

間もなくして寒い冬は過ぎ去り、

様々な花が咲き競う春が訪れた。

ある日、老婆は木こり夫婦に別れを告げながら、

「今迄長い間、

貴方がたにご迷惑をかけて、

今は身の置き場も無い程すまない思いで一杯です。

幸い日和(ひより)も暖かく

なりましたから出て行こうと思います。」

「お婆さん、お婆さんには息子が居ないし、

私達は父母が居ないのです。

お婆さん、これからずっと

私達と一緒に暮らしたらどうでしょうか?

木こり夫婦は熱心に話した。

すると老婆は溜息を付きながら打ち明けた。

「私はずっと前から

薬草を採り集めて来たのですが、

その薬草で病気にかかった貧乏な人達を

治療して彼等の命を救ってあげて来たのです。

今は老いて身体も弱っているこの老婆を、

母親として迎えてくれると言うのですね。

私には息子が居ないので

伝授出来なかった薬草の採集法を

教え伝える事が出来るでしょう。

これ迄は 私の気に入る人が見付からなくて

誰にも教えられなかったのですよ。

今や私も記憶が段々薄れて行きます。

何の為にもならない私を世話しようとする貴方を

本当に有り難く思います。」

「私達は貧しいですが、

お婆さんからどんな報いも望んではいません。

よそへ行って物乞いをするのはやめて、

私達と一緒に暮らしましょう。」

「本当に有り難いよ。」

それからの木こり夫婦は、

老婆に生みの母親の様に真心から孝行した。

老婆も又、彼等の子供を真心込めて世話をし、

炊事や洗濯迄身を惜しまずに

家中の一切の仕事を手伝った。

かくして幸せな日々が続いているうちに、

いつの間にか3年の歳月が過ぎた。

老婆はもはや八旬(80歳)になった。

ある日、老婆は独り言の様に

「ああ、以前いつも登り続けた

山の絶景をもう一度見たいな。」

これを聞いた木こりは、

「お母さん、私が背負って行きます。」

彼は年老いた老婆を背負い山に行った。

木こりは深い草むらに囲まれている

大きな岩の上に老婆を降ろしてあげた。

その時、老婆が指す所に、

黄褐色の葉が細長い野草が見えた。

「あの薬草を取って来なさい。」

木こりはその薬草を掘り取った。

「この薬草は、肺熱の為に起きる

咳嗽(せき)や疲れを治療する薬草だ。

その他にも色々な使い道がある。

今日 私が山に登りたいと言ったのは、

この薬草の事を教えたかったからだ。」

老婆は、欲深い人には教えたくなくて、

心根の善良な人にだけ教えたかったと付け加えた。

欲深い人間は自分の金儲けだけを考え、

困っている人を助けようとはしないとも言った。

「私は堅実で気立ての善良な人を

今迄ずっと探して来た末、

遂にお前に巡り合う事が出来た。

お前は誰よりも、

この母の心を良く分かってくれる。

そこで、この薬草の名前を『知母』(ちぼ)

と呼ぶ事にしよう。」

 

その後、

老婆は木こり息子に多くの薬草の知識を教え、

木こり息子は真心込めて

薬草を学ぶ事に最善を尽くした。

彼は老婆の教え通り、

貧しい人からお金も取らず

彼等の病気を治す事に専念した。

知母は抗菌作用と解熱作用があり、

便秘を治し、

津液を充分に満たし、

熱による消渇病(糖尿病)を防ぐ。

又、肺熱による咳嗽を治し、

尿が良く出るようにする。

 

 

 

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