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本草綱目 北京語の古文体翻訳 紫花地丁

 

漢方薬を勉強される方の為に翻訳しました。

漢方薬は一つ一つの

単味の生薬の効能効果を掴む事で

処方を正しく使いこなす事が出来ます

症状だけで漢方薬を選び患者さんに

処方すると言う事は

副作用を起こす事になります。

その漢方薬が

冷やす性格? 温める性格? 乾燥させる性格? 

潤わせる性格? 風を除く性格? 暑を除く性格 ?

風 寒 暑 湿 燥 火の邪

 が病気の由来による場合

薬の性格を掴んで処方する事が大事です。

 どのような性格の処方なのか掴む事で 

正しく重病人の方が生きがえる程の

効能効果を発揮します。

それができなければ 

重病人に処方した場合

死に至らしめてしまいます。

将来は 本として出版するつもりです

今は 

漢方薬を学んでいる方々の爲に

お役に立てる事を願って本文を記載致します。

著者

韓醫學博士 李豊遠

Donggukk-Royal University of America, LA

(米)Uuin University, Compton 博士取得

 

農學博士 全炳台

(韓)建國大學校 食品生命科學부 敎授

(日)東北大學大學院 博士取得

 

Mieko Kimuro

株)オータニ 漢方藥局

 

5.清熱解毒薬 

16.済生堂の看板を下ろさせた薬草

紫花地丁(ViolamandshuricaW.BECKER.)

昔、ある村に、

化子と言う名前の人が二人いた。

ところが、

奇(く)しくも全く同じように、

方々の村を歩き回りながら

乞食をしていたので、

二人はお互いに出会う機会が多く、

そのうち段々親しくなり、

遂に義兄弟の契りを結ぶ様になった。

二人は昼間は乞食に出掛け、

夜になると一緒に古寺に行って寝るのであった。

ある日の事、

弟分が

瘭疽(ひょうそ化膿性爪囲炎)と

いう病気にかかった。

手指の爪が赤く腫れ上がり、

痛みが甚(はなはだ)だしく

堪(こら)えきれない程苦しんだ。

瘭疽という病気は、

爪端に化膿菌が侵入し、

手指の皮下組織を侵して

炎症を起こす様になるのである。

「これ早く治療しないと

指を切る事になるんだが・・・」

兄は大変心配した。

兄は弟を連れて東陽鎭の

市内にある済世堂という薬屋を訪れた。

済世堂は古寺から遠くなかった。

済世堂は祖先伝来の秘法で

瘭疽を治す良い薬を持っていた。

済世堂の主人は二人に向かって、

「私の薬が欲しければ前金で銀5兩を出しなさい。」

と言った。

薬屋の主人は化子兄弟の身なりを見て、

金を持っていないに違いないとみて、

こう言った。

兄は膝を曲げて縋り付いて哀願した。

「頼みます、お願いですから、

私の弟を助けて下さい。

弟はこんなに苦しんでいるのです。」

主人はつれなく二人を追い出した。

この様子を見た付近の人達が、

何事かと思い集まって来た。

「化子がかなり重症な様だから、

止痛薬でも少し持たせて帰せばいいのに

・・・あれを御覧なさい。

とても可哀想ですよ。」

「他人事にお節介をするのはよしてくれよ。

私の薬はお金を使って作った物だ。

無料で人にやる訳にはいかない。」

「貴方の薬屋の屋号は済世堂でしょう?

その意味は命を救うと言う事なのに、

さしあたって体の痛い人は追い払ってしまっては、

何の済世堂でしょう。」

「私は人を救う事はするが、

乞食の化子を救う義務はないんだよ。」

化子は主人の声を聞いてカッとした。

「私は二度と済世堂に行って

薬をくれと物乞いをする事はあるまい。

他の薬屋で治療をします。」

「この一帯で瘭疽の治療は私しかできない。

もし他の所で治せれば、

人々が見ている前で済世堂の

看板を下ろしてしまうだろう、

ハァッハアッハアッ!」

と言って薬屋の主人は笑って

嘲(あざけ)り罵(ののし)った。

二人は市内からの帰り道、

草むらの上に座ってこれからの事を考えた。

弟は痛みが耐えがたいのか、

自分でも知らぬ間にうめき声を漏らした。

「兄さん、私を水の中に放り投げるか、

紐で首を吊って殺して下さい。

あまりに痛くて耐えられません。」

「冗談言うな!気を引き締めて耐えるんだ。」

いつの間にか日が暮れて、

夕焼けが山と木を染め、

その色彩は実に美しかった。

その辺りには紫色の

野花が咲いていた。

夕陽に反射され、より一層美しかった。

兄は自分でも知らぬ間に、

野花をもぎ取って口に入れて噛んだ。

花びらが苦かったので手の平に吐き出した。

「兄さん、私の手があたかも燃える様に火照っています。」

にわかに弟は立ち上がりながら大きな声で叫んだ。

兄は周辺で水を探していたが、

弟の叫び声に驚き、

自分の手の平に吐いていた

花びらを弟の手の平に乗せながら、

「一旦(いったん)、このまま辛抱してごらん。」

兄は弟を慰め励ました。弟は、

「兄さん、私の手の熱が段々下がる様だ。

体が良くなるかもしれないよ。」

それからしばらくして、

「兄さん、手が痛くないんだ。おかしい。」

兄は弟の声を聞いて、

嬉しくて膝を打ちながら叫んだ。

「まだ確かな事は分からないが、

恐(おそ)らくこの花草の薬草に効力が有るらしい。」

兄はその草を根ごと掘り抜いてポケットに入れ、寺に帰って来た。花びらを押しつぶして手の平に貼り、残りは煮て食べた。

弟は薬を飲んだ後、深い眠りに落ちた。翌日の朝、

目覚めてみれば、腫れ上がっていた指は元の通りに収まり、痛みも殆んど消え失せ、2、3日後には完全に良くなった。兄弟は手に鉄棒を握って市内に行った。済世堂の看板を叩き壊す為だった。

看板が壊れる音に驚いた薬屋の主人は、飛び出して大きな声で叫んだ。

「この悪い奴らを捕らえろ!

こいつらは役所に引き渡さなければいけない。」

しかし兄弟は叫んだ。

「誰が言ったんです?瘭疽を治せば済世堂の看板を下ろして取り壊しても構わないと?」

「貴方がそう言ったんでしょう?」

弟は手を差し出して、駆け付けた人々に見せた。

「これをご覧ください、すっかり良くなりました。」

集まった人々もそれぞれののしった。

「主人の言う通りになったな。」

薬屋の主人は何の弁明も出来ず、薬屋の門を閉じて、出て来る事も出来なかった。化子兄弟は、その後は乞食をするのをやめて、山に行ってその薬草を採集し、瘭疽を病む人達を治療してあげた。

二人は薬の事を広く世の中に知らせ、病気で苦しむ人達を助けた。この事があってからは、済世堂が自慢していた薬は買い手が段々減り、薬屋の運営はますます難しくなった。人々はその後も化子兄弟を乞食と呼んだし、中国では今も乞食を化子、又は花子と呼んでいる。『醉拳』と言う中国映画が有るが、主人公の恩師である蘇花子は、蘇氏の姓を持った乞食という意味だ。その薬草の花は紫色で、その幹はあたかも釘の様に固かったので、化子兄弟はこの花を紫花地丁(しかじちょう)と名付けた。野草である

紫花地丁はつばめ草とも呼ばれる

 

 

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