医食同源 酸っぱい・苦い・甘い・辛い・塩からいで五臓の働きを強化します。

 

 

※木室ミヱ子

漢方薬で単味(当帰・芍薬・甘草等々を単味と言います)の説明をする場合 

味は甘寒 とか 酸寒とか 甘平とかの言葉を用います

味で効能効果を掴むために重要なのです。

 

酸の味は  引き締める 

苦い味は 熱を取り除く冷やす

甘い味は 筋肉を緩める

辛い味は 発汗させて熱を下げる

塩鹹い味は 硬いものを柔らかくさせる

上記は味の基本の考え方です

 

何故 重要であるか

下記に記載しました

漢方薬を学ぶ上での基本です。

 

 

中国3000年の秘伝    

前・北京市中医医院院長    曹希平

  • 中国の歴史とともにある食事療法

中国における食事療法の歴史は古く、

古代商王朝にまでさかのぼる。

その開祖と呼ばれるのは、

当時の宮廷医師であった伊尹で、

医療技術のみならず、

料理にも優れた才能を発揮したという。

 また、

周代の官制を記した書物『周礼シュライ』は、

その中の「天宮篇」で、

医師を4つに分け、

その最初に

食事療法を駆使する食医が位置づけている。

この食医に続いて疾医、瘍医、獣医が並ぶ。

これらの4医は

それぞれに専門の技術を身につけ、

食事療法の食医に対し、

疾医は薬物治療を、

瘍医は皮膚科を。

獣医は禽獣の治療を担当した。

このように、

商代以後の宮廷医学の歴史の中でも、

食事療法は薬物治療

その他に優先して確固たる地位を築いてきた。

 『周礼』に記されているこの食医について、

もう少し詳しく説明するならば、

次のようになる。

飲食衛生の管理にあたるという役割を担うため、

まず料理人として優秀な人物であること。

そして、

食べ物の味をほどよく調和しながら、

巧みに薬剤を料理に取り入れることで

身体を調整し、補強し、病気をなおす医療技術を

身につけていなければならない。

 こうした、人間生活の根本から

健康を考える食医としての専門技術は、

漢王朝以降になると、

いろいろな人々に部分的に受け継がれていくことになる。

一部は宮廷の食膳をつかさどる料理人に、

一部は秘伝として道家

(諸子百家のひとつで、虚無恬淡・無為の説を奉じた老荘一派の学者の総称)

に伝わったが、多くはやはり医学者たちが伝承した。

その結果、

中国の医学者は、

以後、

食事による身体の調節と

補強に注意を払うようになる。

食物治療で治せるものには

決して薬物治療を施さない、

という治療の方法論が広く定着していく、

これが第一歩となった。

 現代中国の漢方で用いられている

薬剤の多くは煎剤だが、

これはとりもなおさず

食事療法に使用されるもので、

商代以来の食事療法の伝統がしっかりと

今日の中国漢方に根を下ろしたことを物語っている。

付け加えるなら、

食事療法に用いられる薬剤は、

中国最古の薬学書

『神農本草経(シンノウホンゾウキョウ)』

に記載されているだけでも、

朝鮮人参(チョウセンニンジン)、

黄耆(オウギ)、沙参(シャジン)、

麦門冬(バクモンドウ)、天門冬(テンモンドウ)、

山薬(サンヤク)、漣子(レンシ)、

石斛(セッコク)、慧苡仁(ヨクイニン)、

枸杞子(クコシ)、何首烏(カシュウ)

など68種にのぼり、

それ以後の薬学所に登場するものも含めると、

かなりの数となる。

  • 五味、四気類は類を補う、の原則

 唐代の名医孫恩邈は、

「身を安らげるものとは必ず食にあり、

疾を速やかに救うは必ず薬にある。

食の宜しきを知らぬものは

生存するに足りず。

薬の忌が明らかならぬものは病を除きえず、……

それは、食が邪を排し、臓腑を安らげ、

精神を悦ばせ、

気分を爽やかにしうるからである」

と述べている。

この言葉は、人間にとって、

食がいかに大切であるかということ、

そして、

その事実を常に意識して

日々の食生活に気を配るべきであることを教えている。

すなわち、

日常の食事こそまさに良薬という、

医食同源の極意である。

 これらの事を

充分に理解している医師ならば、

食物で治療できる病気には、

絶対に薬物を使わない。

食事療法で命を養うことができれば、

それが最も自然であり、

それを起えるものがあり得ない

ことを知っているからである。

 この食事療法の基礎は、

どのような食物が人間にいかなる益を

もたらすかを知ることにある。

 食事療法の理論体系は

漢方のそれをもとにつくられている。

要約すれば、

飲食物(穀物、肉類、果物、野菜など)は、

薬物と同様、辛(からい)、

甘(あまい)、酸(すっぱい)、

苦(にがい)、鹹(塩からい)の五味に分類でき、

この五味が、

辛(シン)は肺臓   甘(カン)は脾臓(胃腸)、  酸(サン)は肝臓、

苦(ク)は心臓、  鹹(カン:塩からい)は腎臓と

五臓に対応し、

それぞれの臓器の機能を高めることができる、

ということである。

 たとえば五穀、

五果、五肉、五菜を詳細に五味分類してみると、

以下のようになる。

五穀では、米は甘、胡麻は酸、大豆は鹹、小麦は苦、黍は辛。

五果では、

棗は甘、 李(すもも)は酸、 栗は鹹、 あんずは苦、 桃は辛。

 

五肉では、

牛肉は甘、犬肉は酸、豚肉は鹹、羊肉は苦、鶏肉は辛。

 

五菜では、

葵(ひまわり)は甘、 韮(にら)は酸、 籊(大豆のもやし)は鹹、

薤(にんにく)は苦、 葱(ねぎ)は辛。

 

五味は今みたような組み合わせで、

五臓と対応するから、

脾臓(胃腸)が支障をきたしたときには、

甘味の米、棗、牛肉、葵を食べ、

心臓の機能をきたしたときには、

苦味の小麦、杏、羊肉、薤を食べればよい。

また、

腎臓であれば

鹹味の大豆、栗、豚肉、籊を、

肝であれば、

酸味の胡麻、李、犬肉、韮を、

肺臓であれば、

辛味の黍、桃、鶏肉、葱を食べることになる。

 だからと言って脾なら脾、(脾臓は胃腸と考えて下さい)

心なら心に働きかけたいがために、

甘味のものばかり、

また苦味のものばかり

食べるというのは好ましくない。

そこにはやはり副作用があって、

甘味のとり過ぎは気分をイラつかせ、

苦味のとり過ぎは吐き気を催させる、

といった悪影響を人体に及ぼす。

同様に鹹味、酸味、辛味のものは、

それぞれ、のどの渇きのもととなる、

排尿を悪くする、

極度の空腹感を覚えさせるなどの

好ましからざる作用を強める結果となる。

大切なのは

五味を保ちながら

味の強弱をつけることで、

一味だけに偏った食事をとることは、

決して正しい食事療法ではない。

 この五味のほかに、

飲食物を分類するための概念として

四気というものがある。

これは、食物や薬物の性質をいい、

寒、熱、温、涼などで表される。

どういうことかといえば、

飲食すると

体を冷やす性質を持っているものが寒、

逆に、

体を温める性質を持っているものが熱で、

それぞれの程度の軽いものを涼、温というのである。

寒、涼に属する飲み物や食べ物は沈静、

消炎といった働きをし、

熱、温のそれは、興奮を呼び起こす作用がある。

また、

体に寒熱の影響を及ぼさないものを平として、

それを四気に加え五性と呼ぶこともある。

 すべての食物や薬物は、

五味のどれかに分類できると同時に、

この四気(五性)のどれかにあてはまる。

 たとえば、

これも

『神農本草経』に

名前が見える薬物で五味子というものがある。

これは、

味が酸で気が温である。

ということは、

酸だから肝によく、

しかも温の作用によって

体を暖めることになるわけである。

 五味は偏ったとり方をすると

副作用があることを述べたが、

四気の場合も

気をつけなくてはならないことがある。

例にあげた五味子のように

気が温であるような薬物は、

気力不足からくる病症の治療にのみ用い、

体液不足によるそれに対しては使わないという、

病症による使用の適不適があるのである。

あとの三気、熱、寒、涼もやはり症状による適応範囲を持つ。

気が熱の食物、薬物は温以上に

体液不足が原因の病には不適となり、

涼、寒のものでは温、熱の逆となる。

 

病症に合わせて、

四気のうち

熱温の食物、薬物で治療すべきなのか、

寒涼のそれですべきなのかを

正しく判断することが、

五味の調和とともに非常に大切である。

 ところで、

食物の滋養、補強理論には、

いまひとつ重要な説がある。

「類を持って類を補う」というのがそれである。

具体的に言えば、以下のようなことになる。

 

禽獣の肝臓を食べれば、

その結果

肝の機能が高められ、

心臓を食べれば心機能が補われ、

睾丸を食べれば生殖機能が補強される。

また 赤身の肉は筋肉を強くするし、

脂肪であれば、皮膚に艶を与える。

 しかし、

この「類を持って類を補う」

の考え方によっても、

やはり肝臓だけ心臓だけを

沢山食べればよいというのではなく、

いろいろな食物をバランスよく

取り合わせることが重要である。

 

このように、食物、薬物の人体への効能を

知る所から食事療法は出発するわけであるが、

穀物にしても肉にしても

そのまま食べるわけではないので、

適切な調理法によって

それらを料理として完成させる技術を

抜きにはできない。

栄養学、薬物学を基礎に据え、

その上へ、

色、味、香ともに具わった料理の姿を

形づくっていくからこそ、

人間の日々の生活に密着した、

医食同源の言葉どおりの食事療法となり得るのである。

 

※木室ミヱ子

漢方薬で副作用という記事を見るたびに

漢方薬には副作用はありませんとラジオやブログで反論しています

上記の記事を読まれたら その意味が理解できると思います

漢方薬は食べ物からできています

症状と薬材を一致させることができなければ 

病になるという事を 私たちに教えてくれています。

 

漢方薬の効能効果だけをみて 漢方薬を選ぶ

「症状漢方」が病院では一般的に行われています。

しかし

漢方薬は 頭痛 咳といった症状だけで選ぶ 症状漢方は

非常に危険です  

そのような選び方は逆に病を発生させていきます

頭痛でも 腫瘍からの頭痛 風邪からの頭痛 貧血からの頭痛 筋肉が萎縮からの頭痛

咳でも 乾燥からの咳  冷えからの咳  熱からの咳 

冷えと乾燥からの咳 熱と乾燥からの咳と別れます 

 

病状により使用する薬材が非常に異なります。

漢方薬の処方の中にある一つ一つの単味の薬材の効能効果をしっかり把握して

漢方薬は処方しなければ 重病患者さんを

死に至らしめる事にもなるのです。

 

 

ラジオの過去放送分はこちらから

オータニ漢方薬局YouTube」で検索

 

 

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