コロナウイルス:インドで伝統医学「アーユルベーダ」が再び脚光を浴びている。

※木室ミヱ子

当局の漢方薬を服用されている方は

コロナに感染していない事をみても

免疫療法がコロナに有効であると証明していると考えています

同じように薬草や鉱物などを使う「アーユルベーダ」が

コロナ時に活躍しているのは 

漢方薬を服用されている方々をみても 多いに納得できるところです※

 

021年3月17日(水) 日本経済新聞 

グローバルウォッチ

インドで伝統医学「アーユルベーダ」が再び脚光を浴びている。

新型コロナウイルスの感染者数が世界で3番目に多いインドでは、

伝統医学に基づく薬草やスパイスが免疫向上をもたらし、

感染予防に役立つという認識が国民の間で広がった。

いったんは廃れていた療法だが、コロナ禍で効能が見直されている。

「友達から免疫向上に役立つと勧められて飲み始めたが、

確かに体調がよくなった気がするわ」。

インドの首都ニューデリーで自営業を営むプリマ・シャルマさん(31)は

2020年8月から起床時の習慣が変わった。

 

伝統医学、コロナで脚光

 

インド

以前は目覚めるとコーヒーをまず手にしていたが、

いまはお湯をグラスに入れて薬草の香りがする黄色の粉をゆっくり溶かして飲み干す。

これはウコン、ショウガ、ナツメグ、黒コショウを調合したもので、

伝統医学に基づく粉薬の一つに当たる。

インドのコロナ感染者は累計1100万人を突破したが、

シャルマさんはいまのところ感染を免れている。

 

5千年を超える歴史があるアーユルベーダは、

中国医学、アラブのユナニ医学とともに三大東洋医学ともいわれる。

インドでは病気を予防する観点から発達した。

しかし1858年の英国によるインド統治が転機になり、

それ以降は体の悪いところを治すという西洋式の治療が広がった。

1947年に英国から独立した後も下火になっていたが、

コロナ禍で予防療法の重要性が再び注目されている。

 

「昨春以降にコロナ感染が拡大すると人々はパニックに陥った。

ただ伝統医学による薬が感染しにくい体づくりに寄与するという話が広がり、

我々の在庫はまたたく間になくなった」。

ニューデリーで伝統医学に特化した薬局を経営するリシャバ・ジャインさん(32)はこう語る。

 

店舗には数十種類の粉薬は錠剤が所狭しと並んでいる。

一番の売れ筋は、パッケージに「免疫向上」と赤い文言で書かれた粉薬だという。

ショウガ、バジル、シナモン、黒コショウを混ぜたものだ。

ジャインさんは「インド政府が調合にお墨付きを与えたことで人々が

急に買い求めるようになった」と打ち明ける。

 

インドには「伝統医学省」という役所が存在する。

20年3月からコロナの感染が少しずつ広がると、同省は「ワクチンがないなかでは、

普段の生活から免疫を高める取り組みが感染の予防に重要だ」

と強調し始めた。

免疫向上をもたらす具体的な原料として、

ショウガ、バジル、シナモン、黒コショウ、ウコン、クミン、ガーリック

などをガイドラインの中で明記した。

 

モディ首相も国民に向け

「コロナ対策として伝統医学省が列挙した免疫向上の助言を守ることが望ましい」

という政府の公式な見解を示した。

 

インドは20年9月には1日あたりのコロナ新規感染が

10万人弱と当時は世界最多だった。

まだワクチンが研究開発の途上にあったなかで、

多くの人々が伝統医学に基づく免疫向上を試し始めた。

伝統医学調剤大手のダブールは50を超える新しい商品を開発し、

同年10~12月期の売り上げは前年同期に比べ2割ほど増えたという。

伝統医学には薬だけでなく、薬用オイルを用いたマッサージの施術もある。

コロナ感染が拡大する前は高級ホテルなどで海外の観光客が楽しむ姿も一般的だった。

こうした施設でも普段の体調を整えるマッサージに加え、

免疫向上に関する問い合わせが急増している。

ニューデリーで伝統医学のマッサージ店を

経営するスッダハ・アショカン博士(66)は

 

「自宅でもできる免疫向上をめぐり、

多い時で1日に30件ほどの質問がある」と話す。

アショカン博士は呼吸器や腹部の機能を整えることを

助言したうえで自社の調薬を渡すほか、

ショウガやシナモンなどを混ぜたお湯を飲むことを勧めるという。

「アーユルベーダは人々が目を向けなくなっていたが人気を取り戻した。

政府が政策で利用を促していることもあり、

もっと普及する余地があるだろう」。

2月にニューデリーで伝統医学の薬局製造販売医薬品を

新しくオープンしたアトゥル・ガルグさん(49)は話す。

 

それまではカメラやパソコンなどの販売店を経営していたが、

伝統医学の市場拡大に商機を見出して衣替えした。

 

インド政府は伝統医学について

「世界保健機関(WHO)にも約20年前から認められたが、

科学的に信頼できるものだけが是認されている」と説明する。

ただ、最近は人気に乗じて不当な効能をうたう薬も出ているという。

インドでもワクチン接種が始まったが、

当面の目標とする3億人の接種を終えるには時間がかかる。

コロナ禍を乗り切る一つの手段として伝統医学を活用するためには、

適切な機能表示などで信頼をさらに高めることが必要だ。(ニューデリー=馬場燃)

 

アーユルベーダ

インドで5千年超の歴史を持つとされている伝統医学。

「アーユル」は生命、

「ベーダ」は化学を意味する。

人間の体は空、風、火、水、地といった5つの要素で構成され、

その均衡が崩れたときに病気になりやすいと考える。

健康を基本をとして精神の調和を重視する。

このため約600の薬草の中から内服薬を摂取するほか

マッサージによる治療もある。

インドでは40万人以上の専門の医療従事者が存在する。

 

 

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