歯原病と歯周病の相違 中島歯科院長にお話して頂きました。

 

 

FMコミ天放送原稿原稿2021年7月5日

ご多忙のところ ご出演有難うございます。

 

中島院長より頂いた資料です。

院長はJFIR(日本病巣疾患研究会)理事長 堀田修先生

の会員です

この会でインターネット講演されたそうです

 

【歯原病】

失活歯(神経を抜いた歯 或いは 虫歯や外力により神経が死んだ歯)

が原因となり 引き起こされる 

様々な全身の病気を言います

殆どは 抜髄処置の副作用として現れます

歯から起こる病巣感染でもあります

この歯性病巣感染には2つのルートがあります

歯原病と歯周病です

 

 

【歯原病 と歯周病の相違】

歯原病は歯周病(歯槽膿漏)とよく間違えられますが 

全く異なる物です

次に歯原病と歯周病との比較を表します

 

【歯原病】

感染源

失活歯  失活歯根尖(こんせん)の病巣

 

【歯周病】

感染源

歯周病羅患歯の外側の歯周組織

 

【歯周病の歴史】

★1993年

アメリカのウェストン・A・プライス(1870~1948)が

「デンタルインフェクション」全2巻を出版しました

これは アメリカ歯科医師会の援護のもと

 医師 歯科医師 科学者達 約60名が25年間にわたり

研究に取り組み 膨大な患者の診察と4000羽を超える兎を

使った動物実験のデータを 1178頁にわたる 

2冊の本にまとめたものです

失活歯が引き起こす全身の病気を 

極めて化学的に証明しています

歯科医学の歴史において金字塔ともいう業績です

しかし

内容がアメリカ歯科医師会の意向にそぐわなかったため

完全に無視されました

 

★1993年

A・A・E(アメリカ歯内療法学会 1943年)の創立メンバー

19人の一人である ジョージ・E.マイニー氏(1915-2008)

「デンタルインフェクション」の妙録本

「ROOT CANALCOVER-UP」を出版しました

 

★2008年

「ROOT CANALCOVER-UP」の

日本語版「虫歯から始まる全身の病気」{片山恒夫(1910-2006)}

監修 恒志会訳 が出版されました

ここで歯原病「デンタルインフェクション」という言葉が

日本においてはじめて提示されました

 

このような経緯で 「歯原病」は歯科医学の中で

長い間 隠蔽されてきましたが

 近年 少しづつ 認知されてきています

 

【メカニズム】

神経を抜いた象牙質の中には ほぼ 100%細菌が存在する

理由として3つが挙げられる

 

  • 歯髄 (歯の神経)の残存

歯髄は網の目のように複雑に走行していて 

全ての歯髄を除去する事は不可能である

主要な神経しか 除去できないし 側枝は除去できない

残存した 歯髄は壊死 腐敗して 細菌の発生の温床となりやすい

 

2.象牙細管の構造

象牙質は象牙細管の集合体である

象牙細管は直径 0.8~2.2㎜の細いチューブのようなものであり

単歯1本の象牙細管を全てつなぐと約4.8Kmにもなる

象牙細管は細長く 薬剤が浸透しにくい

 

3.象牙細管の中を減菌する方法は無い

プライス博士 → 未来の研究者に託す

 

マイニー博士→未来の研究者に託す しかし できても臨床では

不可能でないのか?

 

  • 一般的には水酸化カリウムが使われているが 減菌はできない
  • その他の薬剤も減菌はできない
  • 3Mix-MP法は invitroでは減菌できる

故にinvitroでは減菌できる可能性は充分にある

 

【3Mix-MP法について】

★1987年  新潟大学の星野悦郎教授が 

3種類の抗生剤を用いる事で 

口腔内の全ての細菌を完全に減菌できると発表(3Mix)

 

★1998年

開業歯科医の宅重豊彦先生が 

この薬剤の臨床応用法を開発し

3Mix-MP法として発表

 

 

《2つ目の主な効能》

  1. 虫歯の自然治癒
  2. 象牙細管の中の細菌を減菌

プロピレングリコールの作用により 

24時間で象牙細管の隅々まで 薬剤が浸透して 

細菌を減菌させる事ができる

(invitroでは;試験管内では)

 

【治療方法】

象牙細管内の細菌を減菌できる方法は無く 

失活歯の抜歯しかなかったので 

歯原病の治療は患者の理解を得る事が困難であり

現実的にはできませんでした

ところが

 可能性として 

3Mix-MP法を極めて精密に用いれば 

抜歯することなく 歯を残して治療する事ができるようになりました

但し invitroで結果を出して 

行くことは施術において

非常に難しい事です

 

【今後の課題】

失活歯の象牙細管を減菌する事と その後の唾液による 

再感染を防ぐ事は非常に難しい事です

 

AAEの創立メンバーの一人でもある

ジョージ・E・マイナー

が「象牙細管の中を減菌する方法は 

未来の研究者に託す 

しかし 

できても臨床では不可能ではないのか?」

との言葉は重い物です

歯原病は抜髄処置(歯の神経を抜く治療の事)の

副作用であります

 

それにも関わらず 具体的には

 日本において

2017年6月の1か月間に薬60万本の歯の神経が抜かれています

(厚生労働省発表)

 

プライス博士によると

 75%が歯原病を発生すると考えられているので 

 単純計算すると 

1年間で540万本 

10年間で 5400万本という莫大な数になる

これから 類推すると潜在的に歯原病を持っている人は

膨大な数にのぼります

 

「歯の神経は抜いてはいけない」

との考えが一般常識になれば

「健康長寿の獲得」と「毎年1兆円ずつ増大する社会保障費の

減少」につながっていくものと思われます

 

 

中島歯科  歯原病研究所

福岡市博多区博多駅南第3偕成ビル2階

TEL 092-441-3887

FAX 092-441-3890

 

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